Google Colab(Colaboratory)は、Google アカウントさえあれば ブラウザだけで Python を動かせる クラウド版の Notebook です。インストールに手間取って前進できないとき、あるいは GPU が一時的に必要なときに有力な選択肢になります。

本記事では、Colab の起動からファイルの永続化、ローカル環境との違いまでを最低限まとめます。

目次

  1. Colab の特徴と注意点
  2. 起動と最初の 1 行
  3. ライブラリの追加
  4. Google Drive をマウントする
  5. ノートブック自体の保存先
  6. ローカルファイルの読み込み
  7. GPU / TPU を使う
  8. API キーの扱い(重要)
  9. ローカル環境との使い分け

Colab の特徴と注意点

最初に良し悪しを整理します。学習目的では十分ですが、長期の作業には向かない点もあります。

観点内容
インストール不要(numpy, pandas, matplotlib は最初から入っている)
価格無料枠あり / Pro プランで GPU 強化
計算資源一定時間で セッション切断(無料枠は数時間が目安)
ファイルデフォルトの /contentセッション終了で消える
永続化Google Drive をマウントするのが基本
GPU / TPUランタイム設定から切り替え可能(無料枠は混雑時に取れない)

「セッションが切れると消える」点が、ローカル環境との最大の違いです。長く育てたいコードは Drive か GitHub に置きます。

起動と最初の 1 行

  1. ブラウザで https://colab.research.google.com/ を開く
  2. ファイル → ノートブックを新規作成 を選ぶ
  3. 最初のセルに次を貼って Shift + Enter
print("Hello, Colab")

これで Notebook が動き始めます。セル操作・キーバインドは Jupyter とほぼ同じです。

ライブラリの追加

最初から入っていないライブラリは pip で追加します。Notebook の中では ! を頭に付けて実行します。

!pip install --quiet jpx-jquants-api-client

セル内で ! を付けると、シェルコマンドとして実行されます。Colab のランタイムは Linux です。

Google Drive をマウントする

ノートブックや CSV をセッションをまたいで残すには、Drive をマウントします。

from google.colab import drive
drive.mount("/content/drive")

実行すると Google アカウントの認証画面が開きます。承認すると /content/drive/MyDrive/ が Drive のルートとして見えるようになります。

import os
os.listdir("/content/drive/MyDrive")

ファイルの保存先は次のような形にします。

import pandas as pd
df = pd.DataFrame({"C": [100, 101, 99]})
df.to_csv("/content/drive/MyDrive/pykabu/sample.csv", index=False)

事前に Drive 上で pykabu/ フォルダを作っておくか、Python 側で os.makedirs を呼んで作成します。

ノートブック自体の保存先

新規作成した .ipynb は、デフォルトで Colab Notebooks という Drive のフォルダに保存されます。タイトルバーの名前を変えれば、それがファイル名になります。

GitHub と連携する場合は ファイル → GitHub にコピーを保存 を使います。リポジトリを指定してプッシュできるため、教材として公開する用途に向いています。

ローカルファイルの読み込み

手元の CSV を一時的にアップロードしたい場合は、画面左の ファイル アイコンからドラッグ&ドロップできます。Python 側からは次のように読みます。

import pandas as pd
df = pd.read_csv("/content/sample.csv")
df.head()

/content 配下はセッション終了で消えるため、長く使うものは Drive へ移動するか、毎回アップロードし直す前提で扱います。

GPU / TPU を使う

ランタイム → ランタイムのタイプを変更 で GPU / TPU を選択できます。深層学習を試したいとき以外は不要ですが、必要に応じて切り替えてください。

GPU 利用時は次のように確認します。

import torch
print(torch.cuda.is_available())

無料枠では GPU が常に取れるとは限らない点、長時間の学習タスクには向かない点に注意します。

API キーの扱い(重要)

Colab で J-Quants などの API を使う場合、ノートブック内に直接書かない のが原則です。Drive 上の .env を読み込むか、Colab の シークレット 機能を使います。

シークレット機能は左ペインの鍵アイコンから利用でき、Python 側からは次のように読み出せます。

from google.colab import userdata
api_key = userdata.get("JQUANTS_API_KEY")

ノートブックを共有してもキー本体は別に保管されるため、こちらが安全です。詳細は#2-8「API キーや秘密情報の安全な扱い方」(API キーや秘密情報の安全な扱い方)で扱います。

ローカル環境との使い分け

両方を持っておき、目的で切り替えるのが現実的です。

場面推奨環境
まず動かしたい / 1 回限りの試し打ちColab
長期に育てる学習プロジェクトローカル(VSCode + venv)
大量データの永続化が必要ローカル(または Drive 連携を整える)
共著で短期に共有Colab + GitHub 連携
GPU が一時的に必要Colab(または Pro プラン)

「Colab で試して、本気のものはローカルに移す」のが楽な運用です。

まとめ

  • Google Colab は インストール不要 でブラウザから Python を動かせる
  • セッションが切れると /content 配下は消える。Drive をマウント して永続化する
  • ライブラリは !pip install で追加できる
  • API キーは シークレット機能 か Drive 上の .env で扱い、ノートブックに直書きしない
  • 短期の試行は Colab、長期育成はローカルへ移す使い分けが現実的