Python で日本株の分析を始めるにあたり、証券口座の開設は基本的な準備のひとつです。各社は現物株・信用取引のコスト、PC ツールの仕様、自作プログラムとの API 連携という点で特徴が大きく異なります。

この記事では 5 社を 4 つの軸で比較し、各社の個別ページへ案内します。特定の会社への加入を勧めるものではなく、用途に応じた選択の判断材料を整理することが目的です。

比較の 4 軸

着目点
現物株コスト国内現物の手数料無料条件、単元未満株・米国株の扱い
信用取引コスト売買手数料の無料条件、デイトレ時の金利・貸株料の有無
PC ダウンロードツールツールの有無、Mac 対応の可否
API 連携自作プログラムからの発注・データ取得が可能か

本記事の数値は 2026 年 6 月時点のものです。手数料・金利・貸株料は市場環境に応じて各社が改定します。最新の条件は各社の公式サイトで確認が必要です。


1. 現物株のコスト

国内現物株

5 社とも「条件付き完全無料」の水準に到達していますが、無料の前提条件と対象範囲に差があります。

項目楽天証券SBI 証券マネックス証券三菱UFJ eスマート証券DMM 株
国内現物手数料ゼロコースで 0 円ゼロ革命で 0 円課税口座は有料(55 円〜)SOR 注文で 0 円課税口座は有料(55 円〜)
無料の条件SOR 利用同意電子交付設定NISA 口座のみ 0 円SOR 注文選択25 歳以下は全額 CB
単元未満株かぶミニ®(手数料無料・リアルタイムはスプレッド 0.22%)S 株(無料)ワン株(買付無料)プチ株®(無料)

マネックス証券と DMM 株は課税口座の国内現物が有料の点が他 3 社と異なります。マネックスは NISA 口座では無料、DMM 株は 25 歳以下に全額キャッシュバックがあります。

米国株

項目楽天証券SBI 証券マネックス証券三菱UFJ eスマート証券DMM 株
米国株現物手数料0.495%(上限 22 ドル)0.495%(上限 22 ドル)0.495%(上限 22 ドル)取扱あり・銘柄少なめ一律 0 円
NISA での米国株売買・為替とも無料売買・為替とも無料売買手数料無料・為替 0 銭
米国株取扱銘柄数業界トップ級業界トップ級業界トップ級(老舗)少なめ絞り込み

IPO

証券会社2025 年取扱数抽選方式備考
SBI 証券62 社(No.1)平等抽選 + IPOチャレンジポイントNISA でも利用可
楽天証券43 社100% 完全抽選IPO での NISA 利用不可
マネックス証券全体の半数以上完全平等抽選(1 人 1 票)資金量に左右されない
三菱UFJ eスマート証券少なめ
DMM 株限定的

2. 信用取引のコスト

項目楽天証券SBI 証券マネックス証券三菱UFJ eスマート証券DMM 株
信用手数料ゼロコースで 0 円ゼロ革命で実質 0 円一日定額 100 万まで 0 円SOR 注文で 0 円金額問わず 0 円
制度信用 金利 / 貸株料2.80% / 1.10%2.80% / 1.10%2.80% / 1.15%2.80% / 1.10%2.7% / 1.1%
一般信用無期限 買方金利2.80%2.80%3.47%2.79%2.7%(売建なし)
デイトレ信用 金利 / 貸株料0% / 0%0% / 0%(当日決済)1.80% / 1.80%0% / 0%2.0% / —
一般信用売建(空売り)あり(特別空売り対応)ありありあり(5,000 銘柄超)なし

3. PC ダウンロードツール・スマホ

項目楽天証券SBI 証券マネックス証券三菱UFJ eスマート証券DMM 株
PC ツールMARKETSPEED IIHYPER SBI 2マネックストレーダーkabu ステーションDMM 株 PRO+
Windows 対応
Mac 対応△(別アプリ)×(ブラウザのみ)×(Windows 専用)
スマホアプリiSPEEDSBI 証券 株アプリマネックストレーダー株式株・先物 OP アプリDMM 株
iOS / Android両対応両対応両対応両対応両対応

4. API・プログラム連携

証券会社API の種類発注備考
三菱UFJ eスマート証券kabu ステーション API(REST)Python・C# 等対応、無料(Professional プラン以上)
楽天証券マーケットスピード II RSS(Excel アドイン)○(VBA 経由)Windows 専用
SBI 証券×個人向け国内株発注 API は非提供
マネックス証券マネックス証券 API×(残高参照のみ)FinTech 事業者向け
DMM 株×個人向け発注 API なし

5 社の概要

各社の詳細(現物・信用コスト・ツール仕様・API の具体的な使い方)は個別ページで確認できます。

楽天証券 — #1-2「楽天証券 — 現物・いちにち信用・MARKETSPEED・RSS」

ゼロコースで国内現物・信用とも手数料 0 円。「いちにち信用」はデイトレの金利・貸株料も 0 円。PC ツールは Windows 用 MARKETSPEED II と Mac 用 MARKETSPEED for Mac の 2 系統。API は Excel 経由の RSS で発注自動化が可能。

SBI 証券 — #1-3「SBI 証券 — 現物・HYPER SBI 2(Mac 対応)・API 連携の現状」

ゼロ革命で現物・信用とも実質 0 円。HYPER SBI 2 は Windows / Mac 両対応。IPO 取扱数 No.1(2025 年 62 社)。日計り信用を当日決済すれば金利・貸株料も 0%。

マネックス証券 — #1-4「マネックス証券 — 米国株・銘柄スカウター・現物/信用コスト」

課税口座の国内現物は有料ですが、NISA での米国株が実質無料・完全平等抽選の IPO・ブラウザ型「銘柄スカウター」によるファンダメンタルズ分析が強みです。ワンデイ信用でも金利 1.80%・貸株料 1.80% が残る点と、一般信用無期限金利 3.47% に注意が必要です。

三菱UFJ eスマート証券 — #1-5「三菱UFJ eスマート証券 — 現物無料・デイトレ無料・kabu ステーション API」

2026 年 5 月から SOR 注文で現物手数料も 0 円。「デイトレード信用取引」は金利・貸株料が約定代金問わず 0%。「kabu ステーション API」は 5 社中唯一の個人向け REST API で Python からの発注に対応。一般信用売建銘柄数も豊富。

DMM 株 — #1-6「DMM 株 — 米国株現物無料・DMM 株 PRO+(Mac 対応)」

米国株現物の取引手数料が一律 0 円という独自の強みがあります。信用取引手数料も金額問わず 0 円。DMM 株 PRO+ は Windows / Mac 両対応。ただし課税口座の国内現物は有料、一般信用売建は非対応、個人向け発注 API も未提供です。


まとめ:用途別の選び方

  • 現物中心でコスト重視・オールラウンドなら:SBI 証券か楽天証券が候補です。現物・信用・単元未満株すべて条件付き無料で、米国株・IPO・投信もトップ級です。
  • デイトレ・信用取引メインなら:三菱UFJ eスマート証券・SBI 証券・楽天証券の 3 社でデイトレ金利・貸株料 0% が利用できます。三菱UFJ は API も揃っています。
  • Mac でダウンロードツールが必要なら:SBI 証券(HYPER SBI 2)または DMM 株(DMM 株 PRO+)が対応しています。
  • 自作プログラムで発注を自動化したいなら:三菱UFJ eスマート証券の kabu ステーション API が第一候補です。Excel ベースで十分なら楽天証券の RSS も選択肢になります。
  • 米国株を重視するなら:銘柄数・ツールはマネックス・SBI・楽天、コストは DMM 株(米国株現物一律 0 円)という使い分けが考えられます。
  • 一般信用売建(空売り)を多用するなら:三菱UFJ eスマート証券(5,000 銘柄超)か楽天証券(いちにち信用の特別空売り)が向いています。DMM 株は一般信用売建非対応です。

注意点

  • 手数料・金利・貸株料は市場金利動向で変動する。三菱UFJ eスマート証券は 2026 年 3 月 24 日発表で、2026 年 5 月 18 日約定分から現物・信用手数料を無料化(SOR 注文選択が条件)、2026 年 6 月 1 日約定分から信用金利・貸株料を引き下げ。本記事は引き下げ後の数値を掲載
  • 各社の「手数料無料」には条件がある(楽天 = SOR 利用同意のゼロコース、SBI = 電子交付設定、三菱UFJ = SOR 注文選択など)。地方市場・電話注文・強制決済時は別料金が発生する
  • マネックス・DMM 株は課税口座の国内現物が有料。NISA 口座や年齢条件で無料になる場合がある
  • Mac 対応・API 仕様・取扱銘柄数は更新が頻繁なため、利用前に公式サイトで最新情報の確認が必要です

参考資料